山内和幸
(やまうち・かずゆき)
地名研究家・1948年(昭和23年)生まれ。岐阜県中津川市出身
岐阜地理学会会員
Twitterを始めました。ぜひフォローしてください。
https://twitter.com/yamauchikaz
執筆依頼・講演依頼などの場合は、メールでご連絡下さい。
メールアドレス wa58432@jb3.so-net.ne.jp
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恵那市岩村町富田は「農村景観日本一」にふさわしい農村風景だが、恵那地方には他にすばらしい農村風景がいっぱいあるので紹介しよう。 ①中津川市苗木の日比野 神明神社のある農村風景は上並松から眺めると散村になっていて納得の風景だ。 ②中津川市阿木 どこの高台から見ても米蔵を伴った純日本風の農家のたたずまいと田圃の織りなすハーモニーは素晴らしい。 ③恵那市野井 屏風山断層の斜面に拡がる農村風景は遠くに御岳を望み、時間の流れが止まったようなひとときを楽しめる。 ④恵那市中野方町 坂折の棚田が有名だが、中野方全体の農村風景のたたずまいを道路を歩きながら楽しもう。 ⑤中津川市下野本郷 上野台地から国道256線を降りた瞬間に目に飛び込んでくる風景は遠く二ツ森をバックに息をのむ風景だ。 ⑥中津川市山口 国道19号からループの農道を遡ると、眼下に山口、坂下の農村風景が広がる。おにぎりでも食べながらゆっくりその景観を楽しみたい。左に目を転ずれば竜宮伝説に彩られた乙姫、浦島の集落がある。 全都道府県をけっこう隈無く歩いた経験からすると、私的には「富山県砺波平野の散村風景」が問題なく絶品だ。
NHKの番組「ブラタモリ」は面白い。先週はあの「吉原」だったが番組の冒頭で登場したのが「待乳山(まつちやま)聖天」だった。 「まつち」の「まつ」は「もち」にも通じ、もちっとした粘土質の土地をいうが、そこが耕地に適していれば「真土」という漢字にしたくなる。 東京浅草の「待乳山」は「松乳山」や「真土山」と書かれたこともある。 「真土(まつち)」といえば、和歌山県橋本市隅田真土には、万葉集に見える「真土山」がある。ここもやはり「待乳山」と詠ったものもあるが、乳を待つという無理矢理とってつけたような(牽強付会)伝説もあるという。 愛媛県北宇和郡松野町真土は、四万十川の支流の広見川が湾曲した内側にある。また、神奈川県平塚市真土は「しんど」と呼ぶが、間違いなく「まつち」の平野だ。
奈良市都祁の吐山(はやま)は山の形と状態を合体させたような地名だ。 すなはち、「は」はささやかな、はしたないという意味で「はやま」とはこの付近にある名も無きちょっとしたささやかな山のことだ。 しかし、急な斜面は崩れ易い崖のようになっており、「ハケ・ガケ」という意味で吐(ハケ)山の字をあてたのだろう。 ちなみに、神奈川県葉山町は、仙元山、大峰山というささやかな山の麓に開けた土地で、北に「桜山」、東に「大山」、「戸根山」などの地名もある。「葉山」は三浦半島の端の方だから「端(は)山」が由来ではないかとの説があるが、山の端でなく「はやま」だからそれは当たらないだろう。 岐阜県恵那市明智町には馬木(ばき)という「ハケ」地名がある。

守山斎場での葬儀を待つ間、矢田川に向かってぼんやり歩いていたら、あまりにも地形そのものの地名が並んでいた。 名古屋市守山区苗代(なえしろ)は矢田川の大森橋緑地右岸の低地にある地名だ。 地名由来はもちろん稲の育苗のための苗代とは関係ない。 「なえ」は周囲の土地より低く「萎えた」という意味で、「しろ」は「汁(しる)」が訛ったもので、苗代は、低地の湿地という意味だ。 道路をはさんで東に「菱池(ひしいけ)」という地名があり、むべなるかなと納得した。 地名由来は「ひし」は「泥(ひじ)」からきており、「池」は「井処(いけ)」で水溜まりのようなところだから、まさに苗代と同じ低湿地の地名だ。 今は住宅地になっているが、矢田川の水害には注意が必要な地名だ。
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