地名の由来が一目でわかる!


by baba72885

「岬」地名と「犬吠埼」の地名由来

「ごらんあれが竜飛岬北のはずれと 見知らぬ人が指をさす・・・」御存知、石川さゆりの名曲「津軽海峡冬景色」二番の冒頭だ。津軽半島「龍飛崎」は北海道の「襟裳岬」「知床岬」と並んでご当地演歌の大ヒットとともにその名を不朽のものにした。が、ちょっと待て!!作詞した阿久悠さんは、本来の地名である「龍飛崎(たっぴさき)」を勝手に「竜飛岬(たっぴみさき)」として、一番の歌詞である「上野発の夜行列車降りたときから・・・」の「夜行列車」の七文字に合わせるために窮余の策をとった。さすがに「ごらんあれがたっぴさーききたのはずれと・・」と歌っては間が抜けていていただけない。この歌がヒットした後、多くの人は「竜飛岬」と呼ぶようになってしまった。このように、各地の岬と崎地名は過去に何らかの理由で、呼び方が変化していることが多いと思う。さて、「岬」といえば映画「二十四の瞳」の「岬の学校」、「喜びも悲しみも幾歳月」の「灯台」、そしてフォークソング「岬めぐり」を思い出すが、独断でランクインした全国各地のトップ17の「岬」を北から列挙する。北海道宗谷岬(わが国最北の地)、知床岬(ザ手付かずの自然)、襟裳岬(何んといってもレコード大賞)、青森県龍飛崎(強風と津軽海峡冬景色)、大間崎(まぐろ・まぐろ)千葉県犬吠埼(銚子漁港と本州最東端)、新潟県出雲崎(荒海や 佐渡によこたふ 天の河 芭蕉)、静岡県石廊崎(伊豆はロマン)、御前崎(岬らしい名前NO1)、福井県越前岬(水仙と蟹そして波の華)、愛知県伊良湖岬(椰子の実の恋路が浜)、和歌山県潮岬(本州最南端の台風銀座)、島根県日御碕(特異な表記と神話の世界)、高知県室戸岬(海岸段丘とかつお漁)、足摺岬(小説の舞台、不思議な魅力で人をひきつける)、愛媛県佐田岬(その細長ーい形の半島の先へ行ってみたい) 鹿児島県都井岬(野生馬でしょうやはり)                              「ミサキ」の「ミ」は接頭語で「サキ」は「先」や前」のことで、漢字では「御崎・三崎・見崎・美崎・岬」と表現し、海や湖に向かって突き出た陸地の先端部を意味する。但し、漢字の「崎」 の本来の意味は①山が険しいこと、②岸の湾曲したところ、③山の出っ張ったところ を示す。山へんの「崎」以外に土へんの「埼」(埼玉県は先多摩県のこと)や石へんの「碕」があるが、犬吠埼が土っぽいとか日御碕が石っぽいとか無理に解釈する必要はない。一方、「岬」の本来の意味は①山のかたわら、②山の狭間 という意味だが、いつの間にか「御崎」と同じ意味になってしまった。なお、「サキ」と同類で、島根県の「美保関」や静岡県の「三保の松原」のようにまた、「ホ」も「稲穂」の用法と同じく①先端、②秀でたところという意味だ。                                  《犬吠埼の地名由来》                                千葉県の犬吠(いぬぼう)埼の地名由来は「オニ」が「イヌ」に、「ホウ」が「ボウ」に訛ったものだ。「鬼 オニ」は険しく猛々しい意味だし、「ホウ ボウ」は「ほうける」とか「ぼぼける」の意味の「崩」で、崩壊地形をあらわしている。つまり、険しく崩れやすい断崖絶壁という意味の「鬼崩 オニホウ」が「犬崩 イヌホウ イヌボウ」になり、犬は吠えるということで、「犬吠」と表記して誕生した地名だ。この地名の由来を解くカギが、南隣の「犬若」地区の地名にある。「イヌワカ」は「オニワカ」の転訛したもので、「ワカ」は「崩 ホケ ハケ ワケ」が訛ったものだ。確かにこの集落は海岸平地との差が25メートル位の海食崖を持つ隆起台地と崖の中腹にあり、この崩壊性の断崖は、犬若から南、名勝「屏風ヶ浦」へと続いている。犬若から崖下の銚子マリーナや大学のある潮見町へは厳しい坂道だ。そういえば福井県にある断崖絶壁の景勝地を「東尋坊 トウジンボウ」という。この「ボウ」も間違いなく「崩」の意味で、犬吠埼の地名由来の証人になってくれている。また、鹿児島県南さつま市坊ノ津は、古代から栄えた港で、隣には泊の地名もある。その坊津には坊岬がある。断崖絶壁の岬はまさに崩壊地形であり、この坊も「崩」の意味である。坊津の坊の意味は、けっして遣唐使の宿坊や坊舎に由来するのではない。また、島根県松江市の日本海岸には、犬堀鼻という岬がある。この堀も崩(ほう)が訛ったと思われる、急な断崖絶壁の岬だ。犬吠埼の現地には、地名由来として、源義経の愛犬伝説や、太平洋の海鳴りが犬の遠吠えに似ているとか海獣の声が犬の声に聞こえるとかのこじつけものがある。京都府の丹後半島にある「犬ヶ岬」は犬の形から名付けられたのではない、人を寄せ付けない断崖絶壁の岬だ。まさに「鬼ヶ岬」ではないか。内陸の坊地名の千葉県八街市太郎坊、石川県金沢市香林坊はともに、台地の崖下に位置する地名だ。                     尚、厳しい断崖の続く長崎県対馬市美津島町犬吠(いぬぼえ)と犬吠鼻の地名由来も千葉県のものとほぼ同じと思う。 左《崖の中腹にある犬若のバス停》                    右《犬吠埼の断崖》                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       c0134145_22171158.jpgc0134145_22173111.jpg
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by baba72885 | 2008-06-05 19:16