地名の由来が一目でわかる!


by baba72885

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 明治の先達が痛恨のミス!四街道は街道とは関係がなかった。                                   千葉県四街道(よつかいどう)市の地名由来は、四つの街道と関係があるのだろうか。先日猛暑の四街道を電車で訪ねた。「四街道の地名発祥の地」とされる交差点が、総武本線四街道駅の西にある。 その交差点にたつ道標は明治14(1881)年のもので、表裏と側面にそれぞれ「東 登宇がね 馬渡道、西 東京船橋道、南 千葉町道、北 成田山道」と刻んである。だが、本来道標とは、道の分岐点(追分)にあるべきもので、「右・・道、左・・道」等と旅人に一番見やすい場所に設置してあるものである。思えば全国には幾多の四辻があろうとも、東西南北の行き先を標した道標が他にあるとは思えない。普通、四辻に付けられる名前は十文字(新潟県荒川町十文字・秋田県横手市十文字)や、四つ角(新潟市内野四ツ角・沼垂四ツ角)等である。まさかであるが当時の人がわざわざ「四街道」の地名の由来を追認する目的で設置したものかもしれない。                                                           道に対して「街道 かいどう」という言葉が使われ始めたのは、江戸期から明治以降であり、古代の官道が滅んだ後、中世の主要な道を「鎌倉街道」としたのも、後世の人が名付けたものだ。鎌倉時代の「吾妻鏡」には鎌倉街道は見えず、単に上道、下道などと称されていた。                                       四街道はヤチ(谷地)・垣内(かいと)の転だと考えられるのは、四街道市和良比にも小字に「四ツ海道」があるからである。また、その十字路を単純に「四つ角」と呼んでいたが、それが訛って「よつかいど」になり、四街道と表記したとも考えられる。四ツ角にある地名には他に、十文字、四辻、十字路などの名がある。 山口県山口市四辻、京都府与謝野町四辻、新潟県上越市中江十文字、福島県飯豊町十文字、宮城県大崎市十文字・栗原市十文字・松島町十文字、新潟県見附市今町十字路、上越市富岡十字路、新潟市沼垂四ツ角、内野四つ角、山梨県山梨市栗原四ツ角、福岡市野間四つ角、清水四つ角等。                                          詳しくは、拙著「地形由来で見る 東京の地名」 まつお出版(H27、11,1発行)をご覧ください。                                                                         左《山梨市栗原四ツ角c0134145_21564197.jpg》                        右《四街道市の道標の立つ四つ角》c0134145_20264673.jpg                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                
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by baba72885 | 2008-07-25 21:33
 茨城県常総市水海道(みつかいどう)、結城市水海道(みっかいどう)、岐阜市水海道(みずかいどう)は、さまざまな表記や発音の変遷はあるものの「カイト」集落地名と思う。「水」の字は、それぞれ湛水(たんすい)しがちな低湿地にある集落を示す。つまり、常総市水海道と結城市水海道は鬼怒川の氾濫原に立地し、岐阜市水海道は旧木曽川河道に流れる境川のつくった低湿地にある微高地にある。「カイト」集落の研究は柳田国男をはじめ、多くの先達がさまざまな説を述べているが、その定義は難しい。各地にある「カイト」集落を見ることによって、漠然とした「カイト」像が浮かんでくる。なお、柳田国男は常総市水海道は水運の重要な川港で、「御津垣内」としている。                                             (「カイト」集落についての諸説)                                       和歌森太郎 将来耕地にすることを予定して囲った土地(「世界大百科事典」平凡社)                              山口恵一郎 開墾地のこと(「地名を考える」NHKブック)                          柳田国男 有力者の比護のもとで住民が耕地化した土地(「地名の研究」角川文庫)                                 千葉徳爾 生産地として計画された区画がやがて耕地や居住地になった(「新地名の研究」古今書院)                              山中襄太 組や屋敷(「地名語源辞典」校倉書房)                         丹羽基二 土豪の垣の内、小集落(「地名」秋田書店)                          吉田茂樹 洞とほぼ同じ意味で中世の新しい開墾地(「地名の由来」新人物往来社)                                     鏡味完二・明克 山間の小平地(「地名の語源」角川書店)                                       (岐阜県のまとめ)                          千葉徳爾は愛知県で816の「カイト」地名を拾ったが、岐阜県には約1250程あった。漢字の表記と呼び方から、その地域の人々の感性が類推できて面白い。ただし、たくさんの漢字表記を見ると、それぞれの漢字の意味を考える必要はない。                             (用いられている漢字一覧)                                 垣内 垣外 垣道 垣戸 海渡 海土 海戸 海道 海登 海洞 貝糸 貝戸 貝内 外津 外道 外戸 外渡 外内 外登 皆戸 皆洞 皆渡 皆津 会所 会津 会道 谷津 谷戸 谷内 開土 開津 開戸 開所 替戸 回津 廻津 廻戸 廻道 街津 ケ市 階津 柿内 街道                          下呂市金山町岩瀬ではほとんどが「~廻津」、高山市清見の池本はすべてが「~垣内」、揖斐川町久瀬では「~街道」、藤橋では「~貝戸」、坂内では「~海道」等、一定の地域ではほぼ同じ表記である。「~ケ市」は郡上市白鳥町に「洞ケ市・西ケ市・坊ケ市」等6つもあり、市場とは関係ないことが分かる。これらの漢字表記はその持つ意味はほとんどないと思われる。                                                  (呼び方) かいと がいと がいど がいつ がいづ かいつ かいどう かきうち がきうち かぎうち かきのうち あいつ あいづ たにつ かきそで                                                     (参考) 群馬県中之条町古垣内(ふけいと) 埼玉県飯能市浅海道 長野県伊那市御堂垣外 松本市梶海道 愛知県豊田市貝津 三重県松阪市大垣内 和歌山県紀の川市寺垣内 奈良県十津川村玉垣内 岡山県鏡野町中ケ市 山梨県丹波山村押垣外  埼玉県川越市倉ケ谷戸                      左《岐阜市水海道》c0134145_2065841.jpg                                                                                    右(常総市水海道駅)                                                                                                                                                                                                                                                                                                             c0134145_21245456.jpg
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by baba72885 | 2008-07-09 20:54
6月28日(土) 北陸自動車道木之本ICで降り、湖北から鯖街道を経て若狭の国に入った。小浜市から西へは、40年前の「奥丹後半島バイクの旅」、20年前の子ども連れの「天橋立紀行」以来だ。今回は、あの「青葉山」にまた会えるという胸の高まりを抑えつつ、「若狭の国府跡」と「青」地名を廻る目的だ。足は、もちろんトヨタ自動車の誇る原色の「青」だ。福井県若狭湾沿岸は原発銀座(高浜・大飯・美浜・敦賀)とよばれている。古代より「御食国(みけつくに)」といわれ、宮中の台所を任されるほど豊な山海の幸をはぐくんだ若狭国は、尋ねてみないとその豊かさが実感できない。原発の立地には、若狭の豊な海を見守る「青海神社」の祭神もさぞ眉をひそめているだろう。「青海神社」は日本海沿岸を廻る古代海人の青海族の守護神であり、日本海岸一帯ではずばぬけて豊なここ若狭国が彼らの中心的な居住地であっただろう。それは若狭国国府跡に近い、小浜市遠敷にある「福井県立若狭歴史民俗資料館」(入場料100円)を尋ねると良く分かる。その個性的な展示品と意欲的な特別展、講座・講演会等は、地方のミュージアムとは思えないレベルの高さと品格を備えている。小浜市街地を抜けると、いきなり「青井」という道路標識が目に飛び込んでくる。いよいよ「青」の国若狭に入ったという実感がわいてくる。まもなく東と西の「勢(せい)」という地区に入る。「せい」!?なんとこれは「青」も「青井」も「せい」と読めるではないか。「勢」も「青」地名だったのか。やがて国道27号から右に折れ湾内に浮かぶ「蒼島(あおしま)」をカメラに収める。思ったより小さいが、その鬱々とした島影は死者の埋葬地にふさわしい。向こうに大飯原発を抱える大島半島がみえるが、その「大飯」も「大島」も「青い(おうい)」「青しま(おうしま)」である。大飯郡大飯町と名田庄村が平成の合併で「おおい町」になったが、その町名決定には苦慮の跡が見える。名田庄村に遠慮しながら、旧大飯郡を思わせる町の名で納得させた。せっかく「おおい」と平仮名にして「青あお」に近づいたのだから、いっそう隣の高浜町に対抗して青の国にふさわしく「青浜町」としたらよかった。私たち県外の者は唯一原発名のつかない町として、原発を忘れ海水浴に行きたくなる地名だ。私は実は小浜(おばま)が「おうはま」が訛ったものだと思う。古代の小浜は「青浜(おうはま)」だったに違いない。また、古代若狭国の中心地遠敷(おにゅう)郡は「小丹生」と表記した時代もあり、「おにゅう」はもと「おうにゅう」ではなかったか。つまり「遠敷」は「青丹生」ではないか。それにしても小浜市長さん、最近思いもよらぬ事件に巻き込まれてお気の毒様でした。車を先に進めよう。前方に青戸入江に架かる青戸大橋が見える。高浜町に入り、小浜線「若狭和田駅」の北には「青戸」地区がある。「青葉山」はこの辺りから見事な円錐形の山容を見せてくれる。ついに最終目的地「青」に着いた。「青海神社」が鎮座する海人「青海族」の本貫の地だ。小浜線の「青郷駅」、町立「青郷小学校」のようにこのあたりは「青郷」ともいうのだ。駅舎を撮った後、足早に魚を食いに敦賀へ向かいUターンした。「青海神社」は東に向かい、新潟県糸魚川市青海、加茂市加茂にもあり、地域の名神である。
 左《青戸大橋》                 右《青郷駅)c0134145_748497.jpg                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          c0134145_7511736.jpg
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by baba72885 | 2008-07-05 06:39