地名の由来が一目でわかる!


by baba72885

「泊」地名と海上交通

《那覇市泊》c0134145_19451219.jpg            温泉で有名な岐阜県下呂(げろ)市の地名由来は、古代「飛騨路」の「下留(しもとまり)駅」という駅家(宿場に相当する)の名から来ている。下留を「げる」と呼び、「げろ」に転訛して下呂と表記した。ちなみに、下呂市には中呂、上呂もある。この「留」は、宿泊地の意味だが、「止まる」や「留まる」に通じ、行き止まりの地形の意味も生じてくる。九州に多い「~留」地名は、行き止まりや沢の斜面、湿地の地方名だろう。                             鹿児島県鹿児島市大水留、頴娃町福留・曽於市新留・東串良町安留・菱刈町重留・蒲生町新留、大分県佐伯市中津留・日田市諸留、福岡県上毛町百留、京都府京丹後市鱒留  岩手県雫石町切留、宮城県栗原市切留は谷奥の行き止まりの集落だ。                                   「トマリ」は港を意味するアイヌ語だという説がある。確かに北海道には「泊」地名が多く、そう思えるが、しかし、沖縄県をはじめ、九州にも多く、全国的な分布からすると、一概にアイヌ語だとは断定できない。アイヌ語にもあったのは確かだろうが、始原的な日本語で港のことを「トマリ」といい、「泊」という漢字を当てたのだろう。地方別に「泊」地名を列記しよう。                                   《北海道・南樺太》日本海側に多く、古くは日本海岸が交易の主要舞台だった                                  サハリンの大泊(コルサコフ)、礼文島の幌都泊・船泊・上泊、利尻島の本泊・鰊泊・鴛泊、奥尻島の東風泊、枝幸町日梨泊、斜里町知布泊、留萌市三泊、石狩市嶺泊、積丹町小泊、泊村糸泊、寿都町政泊、島牧町泊、せたな町鵜泊・添泊岬、江差町泊・相泊岬、厚岸町別尺泊・浦雲泊、浜中町赤泊、八雲町泊川、函館市泊町                         《日本海岸》対馬から青森までの海上交通ルートが良く分かる。                             長崎県対馬市西泊、五島市泊・内幸泊・浜泊・半泊・頓泊、長崎市京泊・柿泊、佐賀県唐津市京泊、福岡県福岡市唐泊・大泊、宗像市京泊、泊、山口県長門市大泊・泊り、島根県大田市沖泊、出雲市沖泊、鳥取県湯梨浜町泊、鳥取市夏泊、京都府伊根町泊、福井県小浜市泊、石川県珠洲市小泊・泊、七尾市大泊・江泊、富山県氷見市泊・朝日町泊、新潟県糸魚川市小泊、長岡市寺泊、佐渡市大泊・赤泊・椎泊、山北町鵜泊、秋田県三種町追泊(八郎潟の内海)、青森県中泊町小泊、外ヶ浜町鐇泊、今別町大泊,むつ市九艘泊、平内町夏泊                            《瀬戸内海》瀬戸内水運の港                             大分県豊後高田市臼泊、山口県下関市京泊、山陽小野田市西高泊、防府市西泊・江泊、周防大島町大泊・小泊、愛媛県松山市泊(興居島)、今治市泊(大島)、香川県丸亀市泊(本島)、さぬき市泊、徳島県鳴門市土佐泊、兵庫県姫路市福泊                                        《太平洋岸》数が少ないのは古代海上交通の脆弱さをあらわしている                    愛媛県八幡浜市上泊、宇和島市魚泊、愛南町武者泊、高知県大月町赤泊・泊浦、徳島県阿南市椿泊、和歌山県すさみ町小泊、三重県熊野市大泊、愛知県南知多町大泊、東京都新島村泊、宮城県石巻市泊、南三陸町泊浜、岩手県陸前高田市泊・大船渡市泊里、青森県六ヶ所村泊                            《九州》交通の要衝である鹿児島県南端に多い                       鹿児島県十島村にある小宝島のツクリドマリ・沖之永良部島の和泊・沖泊、口之永良部島の上屋久町岩屋泊、屋久島の屋久町湯泊、南さつま市泊、いちき串木野市海士泊、南大隈町間泊・大泊・島泊、黒島の三島村泊、大分県臼杵市大泊、泊ヶ内、佐伯市福泊・日向泊、長崎県南島原市京泊、西海市西泊、長崎市古泊、大村市日泊、熊本県水俣市京泊                               《沖縄県》東シナ海に面した港と離島の泊は、大陸との交流の足跡だ                              伊平屋島の前泊、久米島の真泊・泊・仲泊、今帰仁村今泊、恩納村仲泊、那覇市泊                                《内陸》                                福岡県前原市泊は、宿泊関連の地名かもしれない。鹿児島県さつま町泊野は、泊野川の上流部にあり、行き止まりの地形名だろう。大分県玖珠町泊里(づまり)は、行き詰まりの地形名そのままを地名にしたものだ。青森県鶴田町鶴泊は鶴が、岩手県滝沢村の鳥泊山389mは鳥がほんとうに羽を休めたところだろうか。埼玉県越谷市大泊は、湿地地名の大袋の北に位置し、北方の大落古利根川を越えたところに、春日部市溜川の地名があることから、川水が堪水している大留(おおどまり)の意味の地名だ。秋田県仙北市の旧西木村中泊は川沿いの水田地帯、旧角館町の中泊は川の合流地点の低湿地                                                        右《埼玉県越谷市大泊》c0134145_21115172.jpg                                                                                                                                                                                                  
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by baba72885 | 2008-11-13 18:58