「花田」地名は、端(はな)田や鼻田のように、端っこや鼻先の方の田んぼを意味するのか、黄赤色の粘土質の田んぼを現す埴(はに)田が訛ったものかは判断に苦しいが、愛知県豊橋市の「花田」地名は明快な答えを提示してくれている。JR豊橋駅西口を出るとすぐに、「花田」地名があるが、そこには羽田(はだ)八幡宮があり、羽田町も隣接してある。つまり、かつては花田も羽田も同じ「埴田(はにだ)」から変化したものだ。そしてそこから南に行くと、なんと「羽根井」という地名があるではないか。豊橋駅の西口は「埴 はに」の卓越した地域だったのだろう。 もちろん、東京大田区の「羽田(はねだ)」や北区の「赤羽(あかばね)」、港区赤羽橋、世田谷区の「羽根木」も同じ粘土質の土地に因むものだ。岐阜県富加町の羽生(はにゅう)」も同類の地名だ。