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地名の由来が一目でわかる!


by baba72885

「大口」の地名由来と口地名

  喉(のど)の名が、「飲む・処(ど)」からの転訛なら、口は「食う・ち」で、食べる場所の意味だ。山口や谷口、井口、原口等は人間の口を意識して、出入り口の意味の地名だろうが、口地名には他の意味もある。 「大口」地名等を例に、各地の口地名の由来を探る。                                      ① 入り江や湾の有様を口に例えた集落の地名
三重県松阪市大口・・入り江
熊本県宇城市大口・・今はかなり水田になっているが、かつては小さな湾
横浜市神奈川区大口・・「入江」地名も隣接し、やはり入り江の意味だ。
長崎市琴海町小口・・小さな入り江
② 海峡の名前
長崎県対馬市の大口瀬戸・・浅茅湾への出入り口
石川県七尾市の大口瀬戸・小口瀬戸・・それぞれ七尾北湾、南湾の出入り口
長崎県大村湾の大口瀬戸・小口瀬戸・・形上湾への出入り口
島根県隠岐の島前の大口・・中ノ島と知夫里島の間の海峡、ちなみに中ノ島と西ノ島の間の海峡を「中井口」という。
③ 「くち」は、「朽ちる」の意味で、岩石がもろくなり、崩れやすい崖地形を表す。各地の「串(くし)」や「鯨(くじら)」地名と同源だ。
岐阜県東白川村大口・・白川と大口南谷川の合流点の小集落
宮崎県綾町大口・・本庄川の渓谷にあり、付近には「千尋(せんびろ)の滝」がある。                             宮城県大崎市鳴子大口・・江合川の谷の大字名で、小字には鷹ノ湯・馬場・赤湯・川渡・沼井等がある。
④ 「くち」は「ぐちょぐちょ」とか、「ぐちぐち」・「じくじく」した湿地を表す。 
湿地にはいろいろな地形名がついているが、「海」地名もその一つだ。地面が膿(う)んで「膿(うみ)」のようになった場所だ。長野県南牧村海ノ口は「膿んでぐちょぐちょした」まさに湿地を代表する地名だ。海ノ口は同じく長野県大町市にもある。JR大糸線「海ノ口」駅が木崎湖岸にあり、集落は東海ノ口、西海ノ口としてある。ただし、こちらはフォッサマグナの急崖下の集落であることから、木崎湖を海と呼び、 口は崖地形かもしれない。
秋田県三田種町大口・・八郎潟の沿岸の水田地帯
茨城県板東市大口・・菅生沼に注ぐ東仁連川沿いの低湿地
埼玉県さいたま市岩槻区大口・・元荒川の後背湿地で、集落は自然堤防上にある
新潟県長岡市大口・・新潟平野、刈谷田川と猿橋川に挟まれた低湿地
石川県辰口町大口・・付近には出口、三ツ口地名がある水田地帯だ
香川県まんのう町大口・・大口川のつくった谷平野
宮崎県西都市右松大口・・鬼付女川の上流に開けた水田地帯              鹿児島県伊佐市大口・・旧大口市の名前で、大口盆地の湿地帯か
なお、愛知県大口町は、丹羽郡太田村と小口村の合成地名                   左《東白川村大口》               右《長岡市大口》「大口」の地名由来と口地名_c0134145_18245729.jpg「大口」の地名由来と口地名_c0134145_18581022.jpg
by baba72885 | 2009-06-28 11:13