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地名の由来が一目でわかる!


by baba72885

「箱根」「銭函」の地名由来

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 ≪写真≫上 北海道函館市 
≪写真≫中 三重県津市箱根
≪写真≫下 五稜郭タワーから見た函館山                                        箱根駅伝はすっかり新春の風物詩となった。出場できる大学は関東の大学のみではあるが、足に覚えのある高校生が全国から集まっており、読売新聞社と日テレのうまいPRもあって応援の盛り上がりは全国的なものだ。今年は、私の町出身の若者が、青山学院大学の一員として箱根を走った。                                  さて、箱根の地名由来は、箱根山から来ている。ご存じのように箱根には箱根山という独立峰はないが、それは阿蘇に阿蘇山という山がないというのと同じだ。箱根山とはカルデラ式火山の外輪山(金時山・三国山・明星ヶ岳など)と中央火口丘(神山・駒ヶ岳・台ヶ岳など)の総体をいう。外輪山はカルデラの内側が外側と比べて極端に急な崖になっているのが特徴だ。芦ノ湖に落ちていく急な崖は、ハケとかハコ・ホキという地形だ。また、中央火口丘の火山も、トロイデ型といって、釣り鐘状になっていて、山肌は急斜面になっている。そこもまたハケとかハコ・ホキという地形だ。根は峰や嶺だから、箱根山の地名由来は、その地形を素直に表現した、崖のような急な斜面の多い山ということだ。                                                箱の地名として、香川県三豊市の旧詫間町箱と箱崎がある。「箱」は急な斜面を背後に控えた海岸の小集落だ、そしてその先の半島の岬を「箱崎」という。                                  箱崎といえば、東京日本橋箱崎がある。隅田川沿いの場所だが、とても崖があるような場所ではない。九州の福岡市箱崎も同じような海岸沿いの平地にある。この二つの箱崎は、崖の意味ではなく、ハ(端)・コ(処)の意味で、中心から外れた地区の意味だ。そういえば博多の地名も那珂川流域の中心地から外れた意味の端(は)方(かた)かもしれない。                                               北海道函館市も箱地名だ。おそらく函館山の急な崖を見て、ハコ(急な崖)タテ(髙い丘)を想い、函館山としたのだ。地元の地名由来では、豪族の館が箱に見えたとか、アイヌ語に由来を求めているがそれらは当たらない。                                   北海道小樽市銭函(ぜにばこ)は、決してニシン漁で儲けた銭を納める箱に由来するのではない。現地は石狩川河口から続いてきた穏やかな砂浜海岸が終わり、海岸は谷地川を越すと海岸段丘崖下の狭い通路になっている。すなわち、ゼニはセニで、狭いところを意味し、ハコは崖だから、銭函は崖下の狭い海岸の集落と言う事だ。       北海道にはもう一つ銭函がある。道東の厚岸町の銭函だ。ここは、地区名ではなく、断崖絶壁の海岸の名前だ。同じ絶壁海岸の隣には鯨浜があり、まさに「崩れ浜」の変化したものだ。                      なお、東京新宿区の戸山公園にある箱根山は人工の築山で、本物の箱根山に因んで命名されたものだ。                                                                                                               
by baba72885 | 2010-01-21 19:02