埼玉県秩父市には秩父神社があり、その例祭である「秩父夜祭り」は、日本三大曳山祭りに数えられる。その曳山の最高の見せ場が、秩父鉄道「おはなばたけ駅」すぐの踏切を渡った所にある「だんご坂」だ。僅か二三十メートルの距離だが、結構な登りの坂だ。(写真参照) 市役所に隣接する図書館はだんご坂を登ったところにある。そのロビーに市役所付近の地図があしらってあるが、「だんご坂」とある。(写真) あえて各地にある多くの「団子坂」にせず、「だんご坂」とひらがな表記にしてあるのは、深い意味がある。すなわち、団子坂ではどうしてもあの食べる「団子」をイメージしてしまうからだ。夜祭りのクライマックスには団子は似つかわしくない。あくまでも曳山が悪戦苦闘する舞台は、「段このある坂」でなくてはならない。「だんご坂」はむしろ一般名詞の「だんこ坂」なのだ。それにつけても、東京千駄木や新宿区若松河田の「団子坂」の食べる団子ゆかりの説明版を早く改めてほしい。 左《だんご坂を上から見る》