「蟹江町」の地名由来
2019年 10月 21日
愛知県蟹江町は町内に舟入という地名があるように、その海岸線は近世までは伊勢湾の入り江になっていたと考えられます。その入り江はカニようになっていたわけです。
カニはカネと母交関係にあり、大工さんの使う曲尺(かねじゃく)のように極端に曲がったことを示します。あのハサミが曲がった動物をカニと命名したご先祖様にはなるほどと思いますが、やがて漢字が伝わると、中国ではあの動物を蟹と書くとわかり蟹(かに)としたのです。「カニ」地名の岐阜県可児(かに)市にある薬師様を「蟹薬師」とも書くわけですね。可児市の地名由来は曲流する川(可児川)によります。
愛知県蟹江町の地名由来に甲殻類の蟹を考えるのは本末転倒しています。蟹江は伊勢湾の湾曲した入り江を地名にしたもので、先述したように蟹さんとは関係がありません。蟹を地名にするなら日本中の海岸は蟹地名だらけになってしまいますね。
ご先祖様は腰の曲がった歪(いびつ)なかたちをしたあれを「エビ」と命名し、やがて後に漢字が伝わり「蝦・海老」と表記したのですね。そしてのちに各地に伊尾、海老、衣斐、伊保などという地名に転化していったのです。