地名の由来が一目でわかる!


by baba72885

「井」と「犀川」の地名由来

  古代より日本語の「い」は、水関係の意味を持つといわれている。私の住む地方では、水路のことを「井水(いすい)」という。3月には、毎年恒例の「井ざらい」という用水清掃作業を行い、水路に溜まった砂土の除去と土手の草刈などを行う。井戸端会議の「井戸」も、四谷怪談の「お岩」さんや、加賀の「千代女」ゆかりのあの釣瓶(つるべ)の懸かる井戸のことばかりとは限らない。宿場町などの古い町並みに流れる水路や水場など、さまざまな水辺も「井戸端」だ。徹夜踊りで有名な岐阜県郡上市八幡町を流れる湧き水の「宗祇(そうぎ)水」の周りでは、人々の井戸端会議の姿がみられ、旅人の旅情を一層かきたててくれる。東京都品川区大井の地名由来にはいろいろな説があるが、やはり大きな流れの意味だと思う。この付近に大きな井戸があったという説は、根拠がなく後から付け足したようなものだ。岐阜県恵那市大井町の由来は、市街地を貫く阿木川を「大井」としたのだろう。「大井」だけですでに大きい川の流れを意味しているが、静岡県の大井川はさらに丁寧に川をつけている。「井川」という地名は、「道路」や「規則」のように同じ意味の漢字を並べたものだ。秋田県井川町には井川が流れている。静岡県の大井川の最上流部には井川という集落と、「井川ダム」がある。徳島県三好市にも井川(旧井川町)がある。神奈川県大井町の地名由来は、そのホームページで鎌倉時代の「大井荘」からいただいたものと記しているが、その「大井」の由来を記すべきだ。隣町の中井町の地名を見ると、酒匂川を大井とし、中村川を中井としたのだろう。中井町には「井ノ口」という地名もある。                                      犀川の由来は、「さい」という言葉に注目し、各地の犀川の流れを見て理解できる。日本語の「さ」は小さいとか狭い、ほそいというような意味を表す。「さ・い」は「小さな流れ、狭い流れ」と考えられ、実際の犀川もそのありさまをよくあらわしている。奈良県桜井市の狭井(さい)川はその意味を素直に表現した川の名だ。狭井神社は三輪山登山口になっている。長野県の犀川は「犀竜伝説」が残っている。梓川と奈良井川が松本市の北で合流し、犀川として善光寺平で千曲川に合流する。竜の姿に似て山間地の狭い峡谷を蛇行しいる川を人々は犀川と呼んだのだ。もっとも、もともと奈良井川と犀川は知隈(筑摩)川であったという説が有力である。松本市筑摩が「つかま・ちくま」の中心であり、いま千曲川の流れる地域はむしろ筑摩の辺境であった。秋田県大館市で米代川にそそぐ支流の犀川、福井県永平寺町で九頭竜川に合流するささやかな渓流の犀川、岐阜県瑞穂市を南流し、大垣市墨俣町で長良川に合流する淀んだ犀川、京都府綾部市のJR高津駅の対岸で由良川にそそぐ清流の犀川などがある。金沢市を流れ、日本海に入る犀川は大きい川の支流ではない。加賀百万石の城下町の外堀の役割を果たす西の川を犀川、東の川を浅野川という。この犀川は「西川(さいかわ)」の意味だろうか。岩手県北上市の妻川、宮城県白石市の斉川、丸森町の斉川、栃木県佐野市の才川などはそれぞれおおきな川の小さな支流である。日本人はまだ見ぬ動物の「犀」に特別な意識を抱いていたことが分かる。                                               左《岐阜県瑞穂市の犀川にかかる橋と秀吉の一c0134145_18175348.jpg夜城》           右《長野県c0134145_20124555.jpg安曇野の犀川》                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             
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by baba72885 | 2008-09-08 21:08